◇武川玲子 米ツアー見聞録
「この勝利が他の選手の励みになれば」
全米プロ選手権(米サウスカロライナ州)を制したフィル・ミケルソン(米国)はそう静かに話した。
50歳11カ月7日の勝利はメジャー史上最年長記録だ。「少し余分な努力が必要だけど、50歳になってもまだ世界のトップレベルで戦えると信じてやってきた」。少し余分な努力とは肉体改造に減量、メンタルトレーニングなどのことで、若い頃よりも取り組むべきことが増えた。
2019年7月には6日間で7キロの減量に成功した。おなかはすっきりし、胸囲もひと回り小さくなった。「メジャー勝利には、もっと良いスイングをする必要がある。そのためには体を絞ることが絶対に必要」とは当時のコメント、今も体重管理に気を配り「1週間に36時間は絶食している」という。単に減量だけではない。ジムでのトレーニングを同時進行し、盟友のタイガー・ウッズ(米国)をも驚かせた。
ミケルソンはツアー通算45勝目を挙げたが、世界ランキング1位についたことがない。全盛期に5歳年下のウッズが1位に君臨し続け、ミケルソンは270週間も2位だった。
精神面では「脳トレーニングと瞑想(めいそう)」を日課にしている。「最終日は今のことだけ考えて、戦いが終わるまで勝利のことは一切考えなかった」。気持ちが高ぶる余計な情報を遮断するため、前夜はテレビも電話もすべてシャットダウンした。
2月の自動車事故で負傷し、リハビリ中のウッズは「50歳の勝利は本当に励みになる。おめでとう」とツイート。ミケルソンの言葉は45歳のウッズへのメッセージでもあったに違いない。「早く戻って来い」とウッズに返答したミケルソン。2人の戦いを再び見られる日が来ると信じている。(全米ゴルフ記者協会会員)
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