
ニラの泥や余分な外葉を取り除く「そぐり」作業を自動化する機械を、県と宇都宮大学が開発し、県内の農業機械メーカーと実用化に取り組んでいる。県産ニラの収穫量はかつて日本一だったが、ライバルの高知県に抜かれ、2006年度以降は2位に転落。機械の実用化は、人手不足の解消や生産拡大につながるといい、県は「日本一奪還」への一歩として期待を強めている。(亀田考明)
■高知に追いつけ
県農政課によると、県内のニラの収穫量(2021年)は8970トンで、高知県の1万4300トンに次ぐ2位。05年までは5年間1位が続いていたが、06年に逆転され、その後は差が広がっている。
高知県が収穫拡大を果たした背景には、ニラの出荷作業負担の多くを占める「そぐり」の自動化がある。同県のメーカーは、水圧で汚れなどを吹き飛ばすそぐり機を開発。13年から農協に導入し、収穫量を伸ばすことに成功した。
ただ、高知の先行機は大型で、価格も500万~600万円と小規模農家には負担が大きいうえに、大量の水を供給する配水工事も必要になるという。そこで栃木県は19年、宇都宮大基盤工学科教授の尾崎功一さん(55)に依頼し、新たなそぐり機の開発を始めた。
■早期実用化期待
19年4月、尾崎さんは試作品開発に取りかかり、県内のニラ農家を見学して回った。単純なように見える作業には、「長年の経験で培った言語化できないコツ『暗黙知』がある」とわかったという。水の代わりに空気を使うことを決め、手作業と遜色のない品質に仕上げるため、農家の作業法も研究しながら、空気の当て方や強さ、機械の素材などを突き詰めていった。大学に届く研究用のニラは、毎週200本にもなったという。
20年に1号機が完成し、効率化を重ねて22年3月に3号機が完成。幅70センチ、奥行き135センチ、高さ107センチの新しいそぐり機は、ベルトコンベヤーでニラを運び、ノズルで圧縮した空気を当てて汚れを吹き飛ばす。そぐり残しがないよう、空気がニラの根元をぐるりと一周するよう調整した。20年12月には県が特許を出願した。
今年2月には実用化を目指す段階に入り、委託を受けた農業機械メーカーが独自の技術を加え、さらなる効率化やコストの削減に取りかかっている。完成時期は未定で、県農政課は「開発は順調。なるべく早い時期に実用化したい」としている。
ニラ出荷機械開発・「日本一」奪還へ作業効率化 - 読売新聞オンライン
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